消化器内科 内視鏡室

内視鏡検査

■平成28年度 当院での内視鏡検査数

検査名 件 数 検 査 名 件 数
上部内視鏡検査 828 件 下部内視鏡検査 300 件
経鼻内視鏡検査 100 件 大腸ポリペクトミー、EMR 68 件
胃ポリペクトミー、EMR 2 件 胆膵内視鏡(ERCP) 15 件

今後は経鼻内視鏡の本数を増やし、経鼻内視鏡検査を充実させていく予定です。
内視鏡検査もぐっと身近になっています、お気軽にご相談ください。

上部消化管内視鏡(胃カメラ)

食道、胃、十二指腸の病気が疑われる場合や検診目的で施行されます。必要に応じて色素を散布したり組織を採取したりすることが可能で、上部消化管の正確な診断には必要不可欠な検査となっています。ポリープや潰瘍がある場合には適宜治療することもあります。
経口内視鏡(口からの内視鏡)、経鼻内視鏡(鼻からの内視鏡)があり、当院ではどちらも施行可能になっています。経口内視鏡の方がより高画質で様々な治療・処置ができますが、嘔吐反射などが強く出る傾向にあります。経鼻内視鏡は細いため嘔吐反射は弱く、咽喉頭(のど)の観察がしやすい長所があります。短所としてはカメラが細いため胃液の吸引などに多少時間を要し、検査時間が長くなることや、組織採取以外の処置はできないことなどがあります。鼻炎や鼻中隔湾曲症などでカメラが通過しずらく痛みが出る場合もありますが、その場合は細い内視鏡を経口的に挿入して検査をすることも可能です。

下部消化管内視鏡(大腸カメラ)

肛門から内視鏡を挿入し終末回腸(小腸の一部)と大腸全体を観察する検査で、大腸ポリープや大腸がん、炎症性腸疾患などの大腸の疾患の診断に用いられます。
大腸がんは近年増加著しいがんですが、早期であれば内視鏡的な処置のみで対応可能なことが多いです。大腸ポリープや早期がんなどの病変では便潜血反応が陽性にならないことも一定の割合でありますので、早期発見のためにも受診をお勧めします。
もちろん便潜血反応陽性の方、大腸ポリープの既往がある、血便が出る、便が細くなったなどの症状がある方には強く受診をお勧めします。腹部の手術歴があり癒着がある方などで内視鏡が奥まで入らない、痛みが強いなどの挿入困難な場合は鎮痛剤を使用しながらの検査や、他の画像評価などで対応することも可能です。近年、女性の大腸がんが増えています。場所が場所だけになかなか検査する勇気が出ないことが原因かと思います。ですが、がんの発見が早期であればあるほど予後の結果が良くなります。医師にご相談ください。

胆膵内視鏡

内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)と呼ばれる検査になります。
内視鏡を十二指腸の途中まで進めていき胆管や膵管にカテーテルを挿入し造影剤を注入した上でX 線写真の撮影を施行します。
超音波やCT、MRI などの画像診断と採血などで胆管、胆嚢、膵臓にがんや結石、炎症性疾患など疾患が疑われた際に施行され、必要に応じて細胞の採取、結石除去などの処置を行うことがあります。
狭窄してしまった部分にステント(半永久的に留置する金属製や、一時的に留置するプラスチック製のもの)を挿入し、症状の改善をはかる手術も当院では行っております。

内視鏡的ポリープ切除術

ポリープにも種類があり、大きく分けると腫瘍性ポリープ、非腫瘍性ポリープに分けられます。腫瘍性ポリープは主に腺腫と呼ばれるもので、がんになる可能性があるものです。非腫瘍性ポリープは基本的に良性で、大腸の炎症から発生するポリープや、年齢を重ねていくと出てきたりする過形成ポリープなどであり、がんになる可能性は極めて低くなっています。
当院では胃、大腸ともにポリープの切除術を行っております。大まかな方法としては以下の3通りの術式を行います。
それぞれの手法にはメリット・デメリットがあります、これらの術式を状況に応じて使い分けます。

コールドスネアポリペクトミー

スネアと呼ばれる金属状の輪っかにてポリープをそのまま切り取ります。
多少切り取り時に出血はしますが、鋭い切れ味で傷口を焼かないので治りが早いとされています。
ポリープのサイズ等によってはこの技法が使えない場合もあります。

高周波スネアポリペクトミー

スネアに高周波を流し、ポリープを焼き切る技法です。傷口を焼くのでほとんど出血はしませんが、クリップで傷口を固定します。高周波を使うため、ペースメーカー埋込の方などは注意が必要です。
※金属製の止血クリップは一時的に患部に留置されますが、数日後便と一緒に体外に排出される仕組みとなっていますのでご安心ください。

EMR(内視鏡的粘膜切除術)

ポリープに茎がなく背が低かったり、多少深めの位置にあったりする場合に使われます。ポリープの下に生理食塩水を針で流し込み、ポリープを隆起させてから高周波スネアで切り取ります。比較的大きなポリープにも対応できます。こちらも高周波を使うため出血はしにくいですが、クリップで傷口を固定します。

枡病院では安心してポリープ切除術を受けていただくために、入院日に内視鏡手術を行った後一晩患者さんの様子を確認し、次の日に退院していただく形をとっております。これは、施術後患部に穿孔(穴が開く)や大量出血などが起きた場合に早急に対応するためです。
諸事情によりどうしても一泊できないなどあるかと思います。その際はご相談ください、都度対応いたします。

検査をスムーズに受けていただくために

大腸内視鏡

大腸の検査は、大腸の中をきれいにしないと正しい診断はできません。そのために当院では2段階の下剤服用とさせていただいています。
検査前日の夜は1回目の下剤(プルゼニド、ラキソベロン)を飲み、検査当日は液体の下剤(ムーベン)を2リットル飲むこととなります。
なお、もともと便通が悪く消化に自信がない方は前日だけでなく、2~3日前から消化の良いものを食べていただいた方がよりスムーズに大腸内洗浄が完了します。
どういったものを食べればいいかなどが描かれているパンフレットを検査前にお渡ししております。普段より気遣いたい方などは自宅の冷蔵庫などに貼り、お使いください。

鎮静剤を用いた内視鏡検査

リカバリールームにてお休みいただきます

上部、下部いずれの内視鏡検査でも、これまで検査を受けた際に苦しかった方や、検査が不安、心配な方、なるべく楽に検査を受けたい方は鎮静剤を使用し、うとうとした状態で検査を受けていただけます。
鎮静剤は呼吸を抑制してしまう作用もありますので、検査中は血中の酸素飽和度などを適宜モニターする必要があります。また、投与後およそ半日程度は薬剤が体内に残りますので、使用された方は検査日の自動車の運転や精密な機械操作等は、重大事故発生の可能性があることから禁止となります。検査終了後はリカバリールームで点滴をしながら1時間程度お休みいただいております。ご希望の方は事前にご相談ください。
検診、人間ドックの方もご使用になれますが、保険診療ではなく自費(3,000 円程度) となりますのでご注意ください。

注意:当日車を運転して来てしまった方は、いかなる場合でも鎮静剤はご使用になれませんのでご了承ください。

ピロリ菌について

ピロリ菌とは?

正式名称はヘリコバクター・ピロリといい、らせん状の足を持った胃の粘膜に潜む細菌です。本来、強い酸性になっている胃の中に細菌は存在できないとされていました。しかし、このピロリ菌はウレアーゼという酵素を出し、生じた中和物質により自分の周りの強い酸を弱め、胃酸の中でも生きていけることがわかりました。1983年に発見と、まだまだ発見されたばかりの細菌です。

感染しているのはどんな人たち?

現在日本人の約半数が感染していると言われています。
ですが、40歳代を境に低年齢層ではあまり感染者はいません。
上下水道がしっかり整備されていなかった時代や、井戸水などを常用していた方々に感染者が多いと言われ、日本人の50歳以上の方の約7割以上が感染していると言われています。

感染するとどうなる?

ピロリ菌が排出する毒素により胃壁が傷つきます。傷ついた胃壁により胃炎を起こしたり、潰瘍となったり、はたまたガン化してしまう場合があります。胃や十二指腸の病気だけでなく、他の病気へのつながりも近年報告されていて、まだまだ究明されていない部分が多いのも事実です。

治療するにはどうすればいい?

保険適応での治療をするには、胃潰瘍・十二指腸潰瘍になった、もしくは内視鏡検査にて胃炎などのピロリ菌感染疑いの診断を受けた方のみとなります。
除菌治療自体はさほど難しいものではなく、指定の薬を1週間飲むこととなります。その後ピロリ菌が消えたかどうかの検査を行い確認を行います。この投薬治療により約9割近くは除菌が成功します。
もし万が一除菌に失敗した場合は二次除菌の開始となります。
二次除菌も別の薬になりますが、同じように1週間薬を飲み除菌を行います。ここまでが保険治療の適応であり、ほとんどの場合除菌が成功します。

除菌が成功したら・・・?

とはいえ安心は禁物です。
再感染率は1%以下といわれてはいますが、ピロリ菌が存在し除菌治療を行った方は1年後に必ず一度、そして毎年内視鏡検査を行う事が推奨されています。

さらに詳しい内容は日本消化器病学会の『ピロリ除菌治療Q&A』に記載されています。さらに詳しく

検査機器について

最新型内視鏡 LASEREO(レザリオ)の導入

富士フィルムメディカル社の最新かつ最上位機種であるLASEREO(レザリオ)を2017 年より導入致しました。
光源にレーザー光を使用し、制御技術と、富士フィルム独自の画像処理技術を組み合わせることで、粘膜表層の微細血管などを強調した画像観察を可能とし、がんなどの病変部の視認性向上を実現しました。
今までの機種においては、経鼻内視鏡は画質が劣っていましたが、こちらの機種に替わり飛躍的に画質が向上し診断がしやすくなりました。当院では計2台の新型経鼻内視鏡を準備し、対応しております。
その他の経口内視鏡に関しても、明るさや性能も格段に上がり、様々な病態や治療に対応できるようになりました。
拡大機能を備えた内視鏡を上部・下部ともに揃え、BLI(BlueLASER Imaging)、LCI(Linked Color Imaging)といった特殊光観察を併用することによって、より病変を詳しく観察することができます。

鼻から入るさらに詳しく

二つのレーザーで照らすさらに詳しく

炭酸ガス送気装置 GW-100を導入しました

大腸内視鏡の際、視野を確保するために今までは空気によって大腸を膨らませながら観察していましたが、この度炭酸ガス送気装置を取り入れました。
炭酸ガス(二酸化炭素)は空気に比べ約200倍生体に吸収しやすく、大腸に入ったガスは血流に乗り、肺から呼吸ですぐに体外へ排出されます。このおかげで大腸内に炭酸ガスを送気してもすぐにしぼむので、おなかの張りがあまりなくなり苦痛が和らぎます。よって患者さんも楽になり、検査も今までよりも短時間で済ませることができるようになりました。

内視鏡の洗浄について

当院では、日本消化器内視鏡学会が推奨する『消化器内視鏡感染防御に関するマルチソサエティ実践ガイド』に沿った用手洗浄を行い、その後内視鏡専用の自動洗浄装置にて高水準の消毒を行っておりますので、安心して検査を受けていただけます。
消毒薬には過酢酸を使用しており、過酢酸は一般細菌、抗酸菌、ウイルスなどを5分で消毒でき、芽胞を10分で殺滅できる化学的滅菌剤です。すすぎは複数回行われ、過酢酸は最終的には酸素、水、酢酸に分解されるので環境への影響もかなり少なくなっています。過酢酸の濃度が洗浄効果に大きく左右されるため、洗浄1回ごとの濃度チェックを行い、機器の薬剤管理を行っております。